南スーダン国連平和維持活動派遣部隊の日報の 情報公開・公文書管理問題に関する意見

 



 防衛省が、南スーダンPKO派遣の日報を情報公開請求に対して不存在決定したものの、その後一転して、その存在を認めた問題で、情報公開、公文書管理、そして防衛省、自営他の組織のあり方の問題として、意見書を提出しました。


 南スーダン国連平和維持活動派遣部隊の日報の 情報公開・公文書管理問題に関する意見

 情報公開や公文書管理は、その組織がどのような組織であるかを映し出すものでもあります。特に、今回改めて調査をしてわかったのは、陸上自衛隊の行政文書には、保存期間が短く廃棄されるものが多いということです。

 問題の日報の保存期間は1年未満とされていますが、1年未満とは、行政文書ファイル管理簿に登載しなくてもよいものとされる軽微な文書で、裁量的に廃棄可能なものです。1年以上の保存期間をつけないと、いつでも廃棄できるので、今回用にないことにもできるわけです。また、1年以上保存期間がついていたとしても非常に疑問のある保存期間の設定や保存期間満了後に廃棄と設定されている事例が見受けられました。

 例えば、「陸上自衛隊史・部隊史(原本)」「陸上自衛隊部隊報」「戦史等(行動史)」は30年保存ののち廃棄となっています。海上自衛隊は同じような文書と思われる「海上自衛隊史」を、保存期間満了後に歴史文書として移管としていました。

 また、「外国軍隊との情報交流に関する文書」(1年)、「国外情報に関する文書」(1年)、「日米幕僚懇談」(1年)、「他国軍交流」(1年)、「海外における能力構築支援業務」(1年)、特殊作戦に関する文書で「部隊運用」(1年)、「日米共同演習」(3年)、「統合訓練」(3年)、「米国における実動訓練」(3年)、「多国間訓練」(3年)、「教育訓練等の評価・分析」(1年)など、内容はわかりませんが、こんなに短期間で廃棄してよいのかと思うようなものもあります。

 規則で保存期間を短くしておくと、その期間を超えた時点で情報公開請求があった場合に、たとえ存在していても存在していないことに簡単にできてしまいます。例えば、不服申し立てで不存在決定を争っても、規則で保存期間が設定され、それに基づき廃棄しました、と防衛省が主張すると、それを覆す事実がない限り、説明に不合理な点ががない、ということで簡単にその主張が認められることになります。

 また、文書の保存期間の設定自体を短くすることは、本来は蓄積をしていくべき一次情報、その情報評価、そしてそれに基づく政策決定、意思決定という判断サイクルの検証を著しく困難にします。これらは、すべてセットで残されているべきで、それで初めて「歴史的検証」ということが可能になります。

 単に日報の問題ではなく、これは防衛省、自衛隊の組織のあり方に関する問題です。そうした観点から意見書を出しました。

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