原子力安全・保安院が東京電力から取得した文書等 未公表分(2011年3月11日~31日分)①

旧原子力安全・保安院は、福島第一・第二原子力発電所の事故を受けて、東京電力から提供された資料・報告について、以下で公表をしている。

東京電力株式会社から送付された原子力災害対策特別措置法第10条に基づく通報資料等の公表について
原子炉等規制法に基づく東京電力株式会社からの報告内容(5月16日に報告のあった福島第一原子力発電所の事故に係る事故記録等)

これらで公表されている情報以外に、原子力安全・保安院に東京電力から報告・提供された情報の有無を確認するため、非公表情報に限って情報公開請求を行った結果公開されたのが、以下の行政文書である。

緊急時連絡速報(3月11日16時40分)
福島第一原子力発電所東北地方太平洋沖地震に伴う原子炉施設への影響に関する原子炉施設故障等の報告書の提出について(平成23・03・18原第13号 3月18日)
【東京・地震fax】15条プレスリリース、1F軽油タンク水しぶきメモ(2011.3.11_18:06)
【東京・地震fax】協定事業者協力要請19時(2011.3.11_23:40)
【東京・地震fax】1F1_SCベント(2011.3.12_1:55)
保安規定におけるシビアアクシデントマネジメントの位置づけの整理(2011.3.23_1:15)
1F復旧状況一覧表(3月分)
放射線業務従事者の線量の推移について
海外からの支援物資について(3月分)

①は、3月11日16:10時の福島第一原子力発電所の技術班による6基の炉の状況と、16:22現在の医療班からのけが人情報。②は、経済産業大臣あてに提出された報告書。

③は3月11日の東電の報道発表資料と、3月11日17:45のNo.4、5軽油タンク付近の白く見えたものは煙ではなく水しぶきだったということ(17:15時点では煙と報告をしていた模様)、重油タンクが防油堤から油があふれているという手書きの報告がついている。④は、各電力事業者への協力要員の派遣、資機材の貸与の依頼数を取りまとめた資料などがついている。

⑤は、1号機のベントに向けて、東電から保安院に送付されていた事故時運転操作書(シビアアクシデント)のうち、ベントに係る3枚分。⑨は、3月27日に保安院あてに東電から送信されたメールで、福島第一原発での作業従事者の線量の今後の見通し。東芝が、グループ全体要員のうち、50mSv超が約50%、100mSvが約10%、日立が50mSv超は実績作業因数の3~5倍、100mSvが50mSv超の約20%、東電は50mSv超は福島第一要員の約10%(電気計装は約20%)、100mSv超は福島第一、第二、柏崎刈羽合計要員の約10%と予想されていた。

⑩は、海外からの物資の支援・調達についてで、各国からのオファーを保安院が受け、東電と調整をしたメールのやり取り。

 

開示請求 2011年10月24日付
開示決定 2011年12月26日付、2012年4月24日付
決定者 原子力安全・保安院長
決定内容 一部開示
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